小規模宅地等2ー対象面積と減額される割合
相続税額の計算において、一定の宅地等を遺産として取得をした者らの選択により、その宅地等の金額を相続財産の金額として集計する際に、一定の割合について減額することができるというのが「小規模宅地等の特例」でしたが、この「一定の宅地」、「一定の割合」とはどのようなものでしょうか?
「一定の宅地」として、まずは「特定居住用宅地等」です。この「居住」とは、(1)亡くなられた方の配偶者の居住、(2)亡くなられた方と生計を一にしていた親族の居住、(3)亡くなられた方と同居していた親族の居住、そして、(4)亡くなられた方と生計を一にしていたわけではなく、また同居していたわけでもないけれど、自分自身(配偶者所有のものを含む)の持ち家のない親族の居住(*)をいいます。
*亡くなられた方の配偶者が存命な場合や亡くなられた方と同居していた親族がいない場合に限ります。
そして「特定事業用宅地等」。この場合の「事業」とは、(1)亡くなられた方の事業を引き継いだ親族の事業、(2)亡くなられた方と生計を一にしていた親族の事業をいいます。
さらに「特定同族会社事業用宅地等」。特定事業用宅地等は、被相続人や生計一親族の個人事業に提供されている宅地でしたが、この「特定同族会社事業用宅地等」は、個人ではなく法人組織にして行われている事業というイメージです。
最後に「貸付事業用宅地等」。事業の内容が不動産貸付業の場合です。特定事業用宅地等と、この「貸付事業用宅地等」が別に定められている意味は、不動産貸付業が、不労所得とされていることにあります。そこで、通常の事業の用に供されている宅地等よりも、相続財産の金額の集計の際に減額される金額が少なくされています。
これらの宅地等について、減額の対象となる面積、その対象となった宅地の金額につき減額される割合は次のようになります。(1)~(4)のどれか1種類だけでは限度面積に満たない場合は、複数の種類について適用させることも可能ですが、その場合の限度面積については、またご説明いたします。
小規模宅地等の種類 | 限度面積 | 減額される割合 | |
(1) | 特定居住用宅地等 | 330㎡ | 80% |
(2) | 特定事業用宅地等 | 400㎡ | 80% |
(3) | 特定同族会社事業用宅地等 | 400㎡ | 80% |
(4) | 貸付事業用宅地等 | 200㎡ | 50% |