住宅取得等資金の贈与特例

2016-08-07

 消費税率引上げ時期の変更に伴い、住宅取得等資金の贈与特例の非課税限度額に関して改正が行われる見込みです。

 住宅取得等資金の贈与特例とは、父母や祖父母から住宅を取得等するための資金の贈与を受けたときに、贈与を受けた年の翌年3月15日までに、その資金をもって、自分が住むための家屋の新築、取得、増改築等の対価に充て、実際に新築若しくは取得又は増改築等をし、その日までにその家屋に住み始めたとき、又は、なるべく早く住み始めることが確実であるときは、贈与を受けた住宅取得等資金のうち一定金額について、贈与税が非課税となる制度です。

 この「一定金額」が住宅用家屋の取得等のための契約締結期間に応じ、それぞれ異なることとなるのですが、このほどこの対応期間が改正される見込みです。
 改正後の非課税金額は次にようになります。なお、括弧内の金額は耐震等級2以上であること又は免震建築物であること)に該当する住宅用家屋であること等について、一定の書類により証明された場合です。

イ 次のロ以外の場合
●平成28年1月~平成32年3月の契約締結の場合
 700万円(1200万円)
●平成32年4月~平成33年3月
 500万円(1000万円)
●平成33年4月~平成33年12月
 300万円(800万円)

ロ 住宅用家屋の取得等に係る対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が10%である場合(特別住宅資金非課税限度額)
●平成31年4月~平成32年3月
 2500万円(3000万円)
●平成32年4月~平成33年3月
 1000万円(1500万円)
●平成33年4月~平成33年12月
 700万円(1200万円)
 
 住宅取得等資金の贈与特例については、贈与を受ける方の要件も重要ですので、確認しておきましょう。次の(1)~(4)の要件をすべて満たさなければなりません。

(1) 次のいずれかに該当する者であること。
イ 贈与を受けた時に日本国内に住所を有すること。
ロ 贈与を受けた時に日本国内に住所を有しないものの日本国籍を有し、かつ、受贈者又は贈与者がその贈与前5年以内に日本国内に住所を有したことがあること。
ハ 贈与を受けた時に日本国内に住所も日本国籍も有しないが、贈与者が日本国内に住所を有していること。

(2) 贈与を受けた時に贈与者の直系卑属であること。
なお、直系卑属とは子や孫などのことですが、子や孫などの配偶者は含まれないので、注意しましょう。

(3) 贈与を受けた年の1月1において20歳以上であること。
1月1日で判定ですので、ここも注意です。

(4) 贈与を受けた年の合計所得金額が2000万円以下であること。

 住宅取得等資金の贈与特例については、住宅についての駆け込み需要がなくなったことから、非課税限度額の改正を期待するむきもあるようです。一方、税率引上げ時期変更により、財政健全化の要請もありますので、今後の動きは何ともいえないというのが、今現在の状況です。

 

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