結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税

2015-01-16

平成27年度税制改正大綱にて、結婚・子育て資金を一括贈与した場合に、贈与税を非課税とする特例の制定案が公表され話題となっています。
この案は、2年前に導入された教育資金贈与の特例が高反響だったことから、その適用範囲を広げたもののようにみえますが、そのアイデアは、先の教育資金贈与特例に関する法案成立時に遡ります。平成25年2月の自民、公明、民主の3党合意により、「子や孫に対してお金をまとめて渡す際に贈与税が一定額まで非課税とする措置の対象を、教育資金だけでなく、結婚や出産に関する費用も加えることを、来年度(平成26年度)の税制改正の検討課題とする」というものがありました。
いよいよ、こちらが導入されるといったところです。

結婚・子育て資金の特例では、20歳以上50歳未満の人に対し、直系尊属である父母や祖父母などが、結婚・子育て資金の支払に充てるために金銭等を拠出し、信託銀行などの金融機関に信託等をした場合に、1人につき1千万円(内、結婚資金は300万円)までは贈与税を非課税とするものです。拠出期間は平成27年4月1日~平成31年3月31日です。また、受贈者が50歳に達した場合などに、結婚・子育て資金管理契約は終了しますが、使い残した残額については、贈与税が課税されることとなります。

ところで、結婚・子育て資金とは、挙式費用、新居の住居費、引っ越し費用、不妊治療費、出産費用、産後ケア費用、子の医療費及び子の保育料などとされています。これらは、扶養義務から「必要な都度」贈与された場合、基本的には非課税となります。
国税庁HPにも「扶養義務者(父母や祖父母)から「生活費」又は「教育費」の贈与を受けた場合の贈与税に関するQ&A」が掲載されています。
したがって、この制度の特例たる所以は、事前に一括して贈与できることにあります。
もしも、結婚・子育て資金管理契約が終了する前に、贈与者が死亡した場合、使い残した残額は、相続税の課税価格に加算されます。しかし、孫やひ孫に対するものであっても、相続税額の2割加算の対象とはされません。

 

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