真田丸にみる秀吉の遺言状
NHKの大河ドラマ「真田丸」第31回「終焉」では、死期の迫る秀吉の遺言状を巡り対立する家康と三成の攻防が描かれていました。遺言状の書き替えや書き足しなどもありましたが、現在の遺言での取扱いはどのようになるのか、疑問に思われた方も多いのではないでしょうか。
遺言が複数ある場合、新しい日付のものが優先されます。これは、法律では、新しい遺言書によって、古い遺言書の内容は取り消されたものと見なされるからです。
自筆遺言については、訂正というかたちで、書き足しもできないことはありません。しかしその場合は、通常の加除訂正の方法によります。つまり、1)間違った部分を訂正部分が読み取れるように二重線で消し、その近くに正しい文言を記載する、2)訂正した部分に訂正印を押す、3)欄外の空白部分に「○行目、○字削除、○字加入、署名」を記載するといった手順を踏まなければなりません。
ドラマでは、右端の余白に、追記事項を記す方法をとっていましたので、「以上」と記すことにより、追記を認めないということになったのでしょう。
ところで、現在でも、遺言のこのような性質から、その真贋や有効性が問われ訴訟となることも珍しくないようです。有名なところでは、帆布店の相続、変わりどころでは花押の押された遺言の有効性が問われたものがあります。そこで、遺言ではなく、信託を利用して、遺贈と同じ効果を持たせようとする試みが注目されています。
確かに、遺言は、被相続人の一方的な行為ですので、遺贈を受ける方にとっては、その地位が安定しないというリスクがあります。その点、信託は契約ですので、契約者の地位が安定されるという面があります。
では、秀吉の場合に、信託の方法をとっていたとしたらどうでしょうか?
まず、信頼できる受託者が、その時代では存在しないということはあります。ですが、受託者が確保できたとしても、信託自体の性質による限界があります。
信託の本質は契約の束です。ですので、生じうるあらゆる事態に想定して設計する必要があります。知将三成がいかに想定しようと、家康側は契約の穴をついて攻勢にでるでしょう。あの時代ならば、契約が履行されないリスクもありますしね。
とはいえ、信託の活用により、遺言の書き替えなどのリスクに備えるというのは、大変有効な方法です。検討してみられる価値は十分にあると思います。

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