小規模宅地等の減額特例の制度趣旨
2017-03-07
相続税の納税額を大きく減らすことができる方法として、小規模宅地等の減額特例というものがあると認識されている方も多いと思います。
この特例、個人が、遺産として取得した財産のうち、相続開始の直前において、被相続人等の事業の用又は居住の用に供されていた宅地等があった場合に、それらの宅地等を取得をした者らの選択により、その宅地等の金額を相続財産の金額として集計する際に、一定の割合について減額することを許すものです。
この特例の趣旨は、相続人等による事業又は居住の継続への配慮ということになっています。要するに、亡くなられた方の財産といえども、実質的に相続人等の「生活の資」となっているものについて、まともに評価して相続税の対象としたのでは、相続人等の今後の生活が成り立たないでしょうということです。
ここで、被相続人等とは、被相続人又は被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族をいい、宅地等とは、土地又は土地の上に存する権利(たとえば借地権)で、一定の建物又は構築物の敷地の用に供されているものをいいます。特例の対象となる相続人等とは、若干の例外を除き、被相続人と生計を一にしていたり、同居していた被相続人の親族となります。生計を一にしていたなどの状況から、相続人等の「生活の資」となっていたと考えるのです。
この特例の適用を巡っては、様々な注意点等あるのですが、まずは制度趣旨をご理解下さい。
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