地主さんの相続~被相続人の収入?相続人の収入?
地主さんが亡くなられた場合、不動産所得の収入を、どのような基準で、被相続人のものと相続人のものとに分けて、申告すればいいのですかと質問されることがあります。
賃貸契約書で当月分の地代をその末日に支払うこととなっており、末日に相続が開始した場合ならば、迷うことはありません。でも、その月中、たとえば、20日に相続が発生したならば、どのように考えればいいのですかということです。
地代などの不動産賃料は、物の使用の対価として受けるべき金銭ですので、法律的にいうと、法定果実に該当します。法定果実について民法では、これを自分のものとして受け取る権利の存続期間に応じて、日割計算によりこれを取得するとされています。
ですから、20日に相続が発生した場合、1日から20日までの賃料は、被相続人に権利があり、21日から末日までの賃料は、相続人に権利があるということになります。
となると、所得税の申告も同じでしょうか?
所得税では、その年分の総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において収入すべき金額とされています。「その年において収入すべき金額」といわれても、わかりにくいですね。
通達では、不動産所得の総収入金額の収入すべき時期について、「契約又は慣習により支払日が定められているものについてはその支払日」としています。つまり、当月分の地代をその末日に支払うこととなっているのでしたら、20日に相続が発生した場合は、前月分の地代までが被相続人の収入として、今月分の地代は相続人の収入として申告することとなります。
もう一つ気になるのは、相続税の取扱いです。所得税の取扱いでは、1日から20日まで地代も、相続人の収入として申告するということですが、民法では、1日から20日までの地代は、被相続人が受け取るべきものとしています。
だったら、所得税の取扱いにかかわらず、1日から20日までの地代は、被相続人の財産、つまり相続財産にならないのでしょうか。
これについて、相続財産を評価するときのきまりとなる財産評価基本通達では、相続財産として評価するとしていません。このことから、1日から20日までの地代は、相続税が課税される財産とはされていないということになり、所得税の申告と矛盾しないようになっているのです。

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