遺言と遺留分
故人の遺志として、財産の分与の方法を残しておくものが遺言書です。
遺言の方法
遺言には、『自筆証書遺言』、『公正証書遺言』、『秘密証書遺言』という3つの方法がありますが、一番確実な方法は、費用はかかりますが公証人役場に証人2人と共に出向いて作成する公正証書遺言です。
遺留分
遺言があっても相続人に対する最低保障として遺留分というものが認められています。
遺留分が侵害されている場合は、相続の開始あるいは遺留分の侵害を知ってから1年以内に、遺留分が侵害されているから返して欲しいという意思表示(遺留分減殺請求)をしなければ、権利は認められません。
相続人 | 遺留分 | ||
配偶者だけ | 配偶者 | 1/2 | |
配偶者と子 | 配偶者 | 1/4 | |
子 | 1/4 | 配偶者が居ない場合は1/2 | |
配偶者と 直系尊属 | 配偶者 | 1/3 | |
直系尊属 | 1/6 | 配偶者が居ない場合は1/3 |
※兄弟姉妹には遺留分が認められていません。
遺産の分割
遺言がない場合には、共同相続人で協議により遺産分割を行います。遺言によって指定されていない財産についても同様です。
そして、遺言があっても、全ての相続人の合意があれば、その遺言に従わずに共同相続人の協議により遺産分割を行うこともできます。
共同相続人に未成年者がいる場合
共同相続人のなかに、未成年者がいる場合は、通常親権者が代理人となります。
ところが父が死亡した場合に,共同相続人である母と未成年者の子が行う遺産分割協議など,未成年者とその法定代理人の間で利害関係が衝突する場合は、特別代理人の候補を決めて、その選任の申立てを家庭裁判所に行うことになります。