原野…??

2016-01-14

  土地の現況調査をし、その土地の地目について迷うことがあります。

 特に、登記上の地目が畑であるのに、実際は耕作をしなくなって年月が経ち、灌木などが生い茂っている様を見た場合、どのように評価しようかと思うことがありました。なぜなら、畑ではなく、それが原野であるならば、その土地の評価額がぐっと下がることとなるからです。

 相続などで使用する財産評価基本通達では、その7で土地の評価上の区分について、「土地の価額は、次に掲げる地目の別に評価する。」としていますが、「地目は、課税時期の現況によって判定する。」と指定することを忘れていません。そして注書きでは、「地目の判定は、不動産登記事務取扱手続準則第68条及び第69条に準じて行う。」としています。

 では、その不動産登記事務取扱手続準則を見てみましょう。

 68条では「第68条次の各号に掲げる地目は,当該各号に定める土地について定めるものとする。この場合には,土地の現況及び利用目的に重点を置き,部分的にわずかな差異の存するときでも,土地全体としての状況を観察して定めるものとする。」とし、それぞれの地目について説明しています。

 そのなかで、畑とは「農耕地で用水を利用しないで耕作する土地」とあり、原野とは「耕作の方法によらないで雑草,かん木類の生育する土地」とあります。ちょっと見ただけでは、疑問となった土地の区分としてよくわからない気がします。

 しかし、「耕作の方法によらないで」とは、耕作に適さず、雑草やかん木類が生えるままの状態で長年放置されてきたと解するようです。ですので、耕作をやめた畑に、雑草やかん木類が生い茂り、原野のような外観になったとしても、それは農地であり、原野ではないということのようです。

 「耕作放棄地」は畑であって、「耕作不能地」が原野である。

 実際は、もっと難しいところもあるようですが、簡単な目安として覚えておくとよさそうです。 

 

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