兄弟相続の場合の注意点4~相続税額の2割加算

2017-02-13

 前回までは兄弟相続の場合の主に民法的な注意点について挙げてきました。
 今回は相続税の計算における注意点です。これはなんと言っても、相続税額の2割加算でしょう。

 相続税額の2割加算とは、相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人が、被相続人の一親等の血族及び配偶者以外の人である場合には、その人の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額が加算されることです。

 日本での相続税額の計算は、簡単に言うと、遺産を法定相続人が法定相続分で取得したものとして仮に税額計算をし、その合計額を、実際に各相続人が取得した金額で按分して、それぞれの負担する相続税額を算出します。

 相続税における配偶者の税額軽減や障害者控除などは、この算出したそれぞれの相続税額について行うものです。そして、この2割加算も、算出した相続人それぞれの相続税額に対して、1.2倍するものと考えるとわかりやすいと思います。
ですので、2割加算対象者は、通常の相続で課される相続税額より多く納めなければならないことになります。

 2割加算される代表的な方は次のような方です。

(1) 被相続人の兄弟姉妹や、おい、めいとして相続人となった人
(2) 被相続人の孫で養子として相続人となった人
 ただし、代襲相続人は除きます。

 この孫養子が2割加算の対象となるのは、孫を養子にすることにより、相続が1回飛ばしになって節税できることから、それを防止するためです。
 ですので、孫養子以外の被相続人の養子は、原則に立ち戻って一親等の法定血族であることから、2割加算の対象となりません。

 ところで、実は弟や妹であっても養子とすることができます。兄弟相続の場合も、被相続人が養父母にあたるようなケースでは、2割加算はありません。まあレアなケースではありますが。

 

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