基準地価の発表

2016-09-21

 9月20日に基準地価が公表されました。

 基準地価とは、国土利用計画法の土地取引価格の審査基準価格として設定されたもので、毎年7月1日時点の標準地価として、都道府県により毎年1回公表されているものです。

 この基準地価と似たものに、公示地価があります。
 公示地価とは、国土交通省が、全国に定めた地点(標準地といいます)を対象に、毎年1月1日時点の価格を公示するものです。公示地価は、土地取引等における客観的な指標となるものです。

 公示地価も基準地価も、国土交通省の土地総合情報システムで検索することができます。
http://www.land.mlit.go.jp/webland/

 基準地価と公示地価は、その評価時点が異なるため、都道府県が発表する基準地価は、国が発表する公示地価を補完するものとされています。

 ところで、今回の発表では、全国の商業地が9年ぶりに上昇に転じたという華々しい見出しの陰で、全用途は0.6%の下落だったことが話題となっています。

基準地価、全用途なぜ下落 公示地価と異なる動き
2016/9/20 18:00 (2016/9/21 1:07更新)
 国土交通省が20日発表した2016年7月1日時点の基準地価は、全国の商業地が9年ぶりに上昇に転じたものの、全用途は0.6%の下落だった。今年1月1日時点の公示地価や路線価は8年ぶりの上昇だったが、わずか半年で下落に転じたのだろうか。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS20H25_Q6A920C1000000/?n_cid=NMAIL001

 この記事では、公示地価が上昇、基準地価が下落となったのは調査地点の違いが大きいことをあげています。基準地価は都市計画の区域外の地点が多く含まれることが主原因だと。

 土地の評価の現場にいる身としましても、これは実感としてよくわかります。当事務所のあります神奈川県県央地区でも、海老名駅周辺は大規模ショッピングセンターのオープン、ロマンスカーの停車などで、ミニバブルの様相を示していますが、駅からバスに乗っていかなくてはならないような場所では、土地の買い手のいない状況となっているようです。

 困るのは、そのような不人気地でも、相続税評価額はそんなに安くない、つまり、時価との逆転現象が生じていることです。
 では、実際価額で評価すればということになりますが、鑑定評価額は実際の訴訟となればほとんど認められないという現実があります。

 となると、相続税対策だけでなく、実際の資産運用の見地からも、このような不動産の組み替えなども積極的に考える必要があるのかもしれません。

 

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