遺産の一部のみ分割済の場合の相続税の申告

2015-12-29

 遺産分割協議が行われなかったりして、被相続人の遺産が未分割のまま、相続税の申告期限となった場合、いわゆる法定相続分などの民法の規定による相続分に従って財産を取得したものとして、相続税の課税価格を計算することとされています。

 たとえば、親一人、子供3人の家庭で、親が亡くなったときに、子供たちの間で遺産分割が済んでいないならば、子供達がそれぞれ遺産の3分の1を取得したものとして、相続税の申告をすることとなります。

 では、相続税の申告期限となったときに、遺産の一部しか分割されていない場合は、どのように相続税の課税価格を計算することとなるのかが疑問です。その場合も未分割の部分は民法の相続分に従って、各相続人が取得したものとして、計算するのでしょうか?

 実は、遺産の一部が分割済の場合の課税価格の計算方法には、2つの方法があるのです。このように、すでに分割された部分を無視して、未分割部分だけで民法の規定による相続分で分けて計算する方法を積み上げ方式といいます。これに対して、すでに分割された財産と合わせて、民法の規定による相続分となるよう計算する方法を穴埋め方式といいます。

 どちらの計算方法が正しいのでしょう。これについて、平成27年6月3日の裁決事例では、穴埋め方式が正しいとの判断がされました。課税実務では、このように穴埋め方式により計算せよとされていて、先例として最高裁平成5年5月28日判決があります。また、東京地裁昭和62年10月26日判決でも、穴埋め方式が支持されています。

 穴埋め方式については、実務家を中心に、疑問とする意見も多々あるようです。しかし、現在のところ、穴埋め方式により相続税額は計算するということが、平成27年の裁決例で再確認されたということになります。

 

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